Icchiku Yamada
Icchiku Yamada

@IcchikuYamada

3 تغريدة 15 قراءة Dec 09, 2024
アサド政権は2011年より民衆蜂起に参加した市民を強制収容所に収監して拷問の末殺害して来た。強制失踪者の数は15万人に及ぶ。現在その中で最も凶悪なサイドナヤ刑務所地下に広がる監房に囚われる1000人の拘束者の捜索が行われている。この問題の専門家としてサイドナヤ刑務所について整理を試みる。🧵
首都ダマスカスより30km北に位置するサイドナヤ刑務所の正式名は”サイドナヤ軍事刑務所であるがこの名前に惑わされてはならない。その実態は皆さんが想像する刑務所などではない。サイドナヤ刑務所は”人間屠殺場”と呼ばれ、ここには1万〜2万の市民が不当に拘禁され、想像を凌駕する拷問に苦しんできた。そしてサイドナヤ刑務所がシリア全土に広がるその他の刑務所と異なるのは、ここでは大規模な処刑(絞首刑)が毎週組織的に実行され、遺体を集団に隠蔽してきた点である。サイドナヤ刑務所では少なくともこれまで1万3000人が秘密裏に処刑されて来た。私はシリアに広がる様々な秘密刑務所を調べて来たがサイドナヤは間違いなく地上の地獄であることを明言する。
サイドナヤ刑務所を巡る情報が日本語でも頻出して来たがその多くに誤解が見受けられる。
まず、サイドナヤ刑務所は完全に解放されていない。サイドナヤ刑務所はレッドビルディングとホワイトビルディングの2棟に分かれており今日までに解放されたのはホワイトビルディングとレッドビルディングの地上階と一部の地下監獄である。2011年以降無実の市民を監禁していたのはレッドビルディングであり、その地下には3階建の監獄が広がっている。この地下監獄にいまだ1000人の市民が閉じ込められおり、そこへのアクセスには厳重な鍵がかけられていたが、刑務所管理者はアサド政権の崩壊に伴い逃げる際にこの鍵を破壊しシステムをダウンさせた。現在その地下監獄の捜索が続いているが、システムがダウンしている上、複雑な構図で地下に入り込むように建設された監獄から拘束者を見つけることが非常な難航しているのだ。動画はサイドナヤ刑務所レッドビルディングから救出された拘束者たちの様子である。
次に指摘する必要があるのは強制収容所と絶滅収容所の混同である。シリア全土に広がる市民を拘束するための施設は強制収容所に値する。
2011年から民衆蜂起に参加した、或いは、民衆蜂起に賛同すると思われた市民、つまりアサド政権に反対すると考えられる市民は皆拘束の対象となる。しかしこの判断基準は非常に恣意的でそのクライテリアはアサド政権の気分次第である。アサド政権軍と5つの諜報機関さらには民兵組織が市民を拘束し、全土に広がる収容所に収監する、これが反体制派が奪還した地域で今日までに次々に解放されてきた強制収容所(秘密刑務所)である。
一方でサイドナヤ刑務所は絶滅収容所に分類される。サイドナヤに収監される市民は、必ずその前に別の収容所への収監を経ており、そこで「自白」を強制されている(サイドナヤに移送される者は重度のテロ容疑への関与”政府軍兵士の殺害”や”軍施設に爆弾を仕掛けた”等の強制自白している)。つまり強制収容所における拷問は「自白」を取り付けるために行われているのに対して、サイドナヤ刑務所における拷問は既に「自白」し「犯罪者(テロリスト)」となった市民を対象にしているため、痛めつけ殺すことに目的があるのだ(無論彼らは犯罪者などではなく冤罪をかけられた無実の市民)。すなわち、サイドナヤ刑務所は、「自白」をした拘束者に惨痛を与え殲滅することだけを目的とした絶滅収容所。従って、サイドナヤで行われる拷問や監房の環境はその他の収容所とレベルが違う。↓
私のサイドナヤ刑務所のサバイバー達による調査から明らかになったのは、天井から吊るされた状態(通称シャッベ)で鉄パイプや電流パイプによる殴打、傷口へ燃えるナイロン袋の挿入、手足の爪を引き剥がす、身体中に釘を刺される釘刺し、といった通常レベルの拷問に加え、殺傷力の高い器具が導入される。
殺傷力の高い器具が導入された拷問とは、例えば家畜を屠殺するために用いられてきた機器に吊し上げられた上で上記のような拷問が繰り広げられるということどである。これがサイドナヤでは横行してきた。さらに現在サイドナヤの一部が解放されたことで、新たな拷問器具が次々と発見されており、中にはピストン式の機械で拘束者を押し潰し、肉体と骨が紙のようになるまで押し潰す拷問器具まで確認された。また、頭蓋骨や骨の破損や眼球をえぐり取る拷問など、非常にサディスティックな拷問がサイドナヤ刑務所の特徴である。そして、拷問を受け気絶した拘束者に熱湯をかけ叩き起こし、再び拷問を開始するなど、サイドナヤでは1人の人間に対して長時間(時には数日)にわたり拷問が繰り返されていたことも確認できた。
また、サイドナヤ刑務所に拘禁される者は監房内で一言も声を出すことが許されない。つまり、サイドナヤ刑務所の監房に閉じ込められた者たちが聞こえるのは、他の拘禁者たちが拷問される音、拷問に耐えられず泣き叫ぶ声だけである。これは拘束者たちに計り知れない苦痛と恐怖を与える精神的拷問と言える。また、監房は4m×6m(駐車スペース2台分より少し小さい)に50人以上が詰め込まれ身動きを取るスペースすら無く、収容者たちは横になり寝るスペース作り出すために立ち続け、一人ずつ代わり代わりで寝ていた。食事や水も何日も与えられず、拘束者の中には自身の尿を飲み生きながらた者もいた。食事は与えられてもカビの生えたボブス(パン)1枚だけというケースも確認されており、サイドナヤ刑務所の収容環境は絶悪であり、これは環境的拷問に値する。↓
そしてサイドナヤの特徴はなにも殺傷を目的としたサディスティックな拷問だけではない。その最大の特徴は、組織的に行われる集団処刑である。サイドナヤには絞首刑を実行する「処刑部屋」が設置されており、これまでに少なくとも1万3000人が処刑されたのだ。処刑は毎週1回〜2回にわたり行われてきた。
処刑に選定される拘束者はまず、ダマスカス近郊の軍事警察本部内部に設置される軍事裁判所で裁判にかけられる。裁判は1-3分で終了し、弁護士の手配も無く、また判決文が明らかにされることはない(つまり何故有罪判決が出たか分からない)、超法規的裁判である。ここで死刑判決が出た拘束者は、サイドナヤ刑務所で集団絞首刑にかけられる。処刑には、「処刑パネル」と呼ばれるサイドナヤ刑務所の管理者、軍事検察局検事、諜報機関の代表者や軍事病院の医者などが立ち上って行われる。処刑された遺体は、トラックに積み込まれ軍事病院に移送され、そこで遺体の登録を受けたのち、ダマスカス近郊に広がる集団墓地(mass grave)に埋められ隠蔽される。ここで、私が指摘したいのはサイドナヤ刑務所の処刑のプロセスが非常に高度な組織性を持ち、明確な指揮系統の下で実行されてきた産業レベルのものであったという点だ。
ジェノサイド研究者として二つのジェノサイドを比較することには必ずしも正しいとは言えないことを自覚する一方、アサド政権下のサイドナヤ刑務所は、ナチ政権下の絶滅収容所アウシュビッツに匹敵する組織性と殺傷力を持っていることは特筆に値する。そして、サイドナヤ刑務所はナチのそれよりも近代化しており、高度な技術とセキュリティを導入している。故に現在サイドナヤに派遣された捜索チームの決死の活動を持っても地下3階に広がる、秘密監房を見つけ出すことがこの瞬間まで出来ていない。私はここに1000人ほどの収容者が閉じ込められていると考える。そして地下監獄の空調システムが切られていて、拘束者たちを無事に救出するまでもう時間が無い。国際社会は直ちに訓練を受けた特殊部隊を派遣する必要がある。
人間屠殺場サイドナヤ刑務所の地獄。国際社会は現代のアウシュビッツを今日まで見過ごして来た。数えることすら出来ないシリア人の命が圧倒的拷問と組織的処刑により無惨にも奪われてきた。これはジェノサイド以外の何物でも無いが、国際社会はそれを今日まで許して来た。国際社会は今また同じ過ちを繰り返すつもりか。本当にもう時間が無い。シリアの救出チームは数日間寝ずに決死の活動をしているが、どうしてもリソースに限界がある。サイドナヤ収容者の家族たちは今息をのみ刑務所の解放を待っている。拘束者の最後の一人が解放されるその時まで、シリアは完全に解放されたとは言えないのだ。
国際社会は人類の平和と秩序のために、今度こそこのジェノサイドに終止符をうち、サイドナヤ刑務所に不当に囚われる市民の命を直ちに解放せよ。
動画1:地下監獄からの救出作業。反体制派兵士やホワイトヘルメット特殊部隊が現在も決死の救出活動に当たっている。
動画2:サイドナヤ刑務所監視室のモニターに映し出される地下監房。このほとんどが未だに発見されていない。そこに囚われる市民の姿が確認できる。
写真3:サイドナヤ刑務所に集まる拘束者たちの家族や友人たち。不安と希望の中で息をのみながら刑務所の解放を待っている。

جاري تحميل الاقتراحات...